一つの商品を中国・台湾・韓国で紹介するとき、日本語の商品資料を翻訳すれば、仕様は伝えられます。ただ、読者が知りたいことや、購入前に迷う点まで同じとは限りません。
とはいえ、「中国は価格重視」「韓国は見た目重視」と決めつけても、具体的な企画にはつながりません。変えるべきなのは商品の事実ではなく、誰のどんな疑問に、何から答えるかです。MY WAYの海外SNSマーケティングでは、現地の投稿や競合の見せ方を調べてから、見出しや撮影内容を決めます。中国・台湾・韓国で、そのまま使える素材と作り直したい部分をどう見分けるか。企画の段階で考えておきたいことをまとめました。
変えない商品情報と、変える伝え方を分ける
海外向けの制作を始める前に、商品の事実を一つの資料にまとめます。仕様、素材、サイズ、使用方法、注意点などです。商品や販売市場によって違う部分は、その条件も記載します。ここが曖昧だと、翻訳やクリエイターとのやり取りのたびに説明が変わります。
一方、何を最初に見せるか、どの場面から話を始めるかは、対象者に合わせて考えます。同じ「軽い」という特徴でも、毎日持ち歩く人には重量が、旅行中に荷物を増やしたくない人には収納時の大きさが、より具体的な判断材料になるかもしれません。
| 共通資料に残すもの | 市場・対象者ごとに確認するもの |
|---|---|
| 仕様、サイズ、素材、使用方法 | 最初に伝える特徴と使用場面 |
| 確認できる性能と、その条件 | 比較される商品や選択肢 |
| 正式な商品名、型番、写真 | 現地の呼び方、検索される語 |
| ブランドとして守る表現 | 販売先、購入条件、次に見るページ |
性能や効果の説明は、現地で好まれそうだからという理由で強めません。また、仕様が同じでも販売時に必要な表示や広告表現の条件が同じとは限らないため、実際の販売・掲載条件に合わせた確認が必要です。
中国・台湾・韓国で、確認する接点を変える
中国マーケティングを小紅書だけで考えると、ほかの場所で商品を知り、調べ、購入する人を見落とします。台湾や韓国も、一つのSNSだけで情報収集が完結するとは限りません。企画の段階では、どの媒体を使うかと併せて、そこに何を載せるかまで決めておきます。
中国マーケティング:SNS・検索・EC・AIの回答を見渡す
調査候補には、小紅書(RED)に加え、抖音(Douyin)、WeChat(微信)、Weibo(微博)、Bilibili、百度(Baidu)、天猫(Tmall)・京東(JD.com)などがあります。豆包(Doubao)やDeepSeekなどのAIサービスにも、商品や用途について質問し、回答を確かめます。すべてに出稿・投稿するという意味ではなく、商品カテゴリー、対象者、販売方法に合わせて調べる範囲を絞ります。
- 発見・体験を伝える:小紅書、抖音、Bilibiliなどで、使用場面をどう見せているか、コメントにどんな疑問が残っているかを見る。
- 説明を確かめる:百度の検索結果、WeChatの公式発信、Weiboの投稿などで、商品名・特徴・根拠となる情報を照合する。
- 購入条件を確認する:天猫・京東などの対象商品ページで、容量、種類、価格、販売元、配送条件が発信内容と一致しているかを見る。
- AIの回答を確かめる:用途や比較条件を変えて質問し、商品説明の誤り、情報の不足、表示される参照元を確認する。
これは調査のための分け方です。一つのアプリ内に動画、検索、販売など複数の機能があるため、役割を固定して考えません。例えば、短い動画で関心を持ってもらえても、別の場所で容量や使い方を確認できなければ、その情報を補う必要があります。
中国のAI検索・GEOを考える際も、まず公式の商品説明、体験コンテンツ、販売情報の食い違いを減らします。DeepSeekは2024年12月の公式発表でウェブ検索機能を紹介しています。ただし、各AIがすべてのアプリ内情報を読めるとは限りません。回答の確認では、質問文、日時、検索機能の利用条件も記録し、投稿したこととAIに参照されたことを直結させないようにします。
台湾マーケティング:繁体字にする前に、誰に何を伝えるか
台湾向けでは、InstagramやThreadsなどの投稿、検索結果、実際の販売ページを見比べます。例えば台湾で日常的に使う人への紹介なら、生活の中で使う場面と現地の購入先を見せる。訪日中に買う人への紹介なら、日本の売り場で照合できる容器と商品名を見せる。同じ繁体字でも、写真に入れる情報が変わります。MY WAYでは、現地の言葉に直す前に、誰がどこで買うのかを企画の軸に置きます。
韓国マーケティング:SNSで見た商品を、検索先でも確かめられるようにする
韓国向けでは、Instagramの見せ方と、NAVERの検索・ブログ・カフェ、販売ページの説明を見比べます。NAVERは2024年2月の公式説明で、ブログやカフェの情報を検索意図に応じて整理する仕組みを紹介しています。私たちは、SNSでは使用場面が伝わる短い構成を考え、詳しく比較する人向けの内容では、使用期間、使った量、ほかの商品との併用など、体験を読むための条件を添えます。現地語の見出しと販売先の商品名も照合します。見た目の印象だけをそろえるのではなく、詳しく知りたい人が読み進められる内容を用意するためです。
各媒体の利用状況や購入までの行動は、商品と対象者によって変わります。国別のイメージだけで振り分けず、実際の投稿、検索結果、問い合わせを手がかりに優先順位を決めます。
MY WAYが考える、見出し・画像・動画の作り分け
MY WAYでは、原稿を翻訳する前に、最初の画面で何を伝えるかを決めます。ブランドが強調したい特徴と、現地の人が知りたいことがずれていれば、説明の順番から見直します。
見出し:現地の人が知りたいことから書き始める
日本語のキャッチコピーをそのまま訳すと、意味は通じても、商品の選び方には結び付かないことがあります。見出しには、現地で使われる商品カテゴリー名や、投稿・問い合わせで尋ねられていることを取り入れます。ブランドの表現を守りつつ、読者が気にしている特徴を先に伝えます。
一枚目の画像:本文を読む理由が伝わるようにする
一枚目に商品の特徴をすべて詰め込む必要はありません。使用場面を見せるのか、違いを比べてもらうのか、商品名を覚えてもらうのか。一枚目で何を伝えるかを決めてから、写真を選び、文字を絞ります。文字を現地語に替えたら、スマートフォンでも見直します。商品より説明文が目立っていたり、文字が小さすぎたりすれば、配置も変えます。
本文・動画:興味を持った後の疑問に答える
短い動画では、伝えたい特徴が分かる動作や場面を先に見せます。詳しい説明が必要なら、本文や別の素材で使用条件、仕様、購入方法を補います。KOL・KOCの体験発信では、本人が試したことを具体的に伝えてもらいます。仕様の誤りは直しても、感想までブランドの紹介文にそろえる必要はありません。
コンテンツローカライズは、翻訳前の企画から
日本語原稿を先に完成させ、そのまま各言語に翻訳すると、強調する順番まで固定されます。翻訳に入る前に、現地でよく尋ねられることへの答えが原稿にあるかを見ます。足りなければ説明を加え、優先度が違えば順番を変えます。
中国向けと台湾向けでは、簡体字・繁体字の変換だけで済ませず、現地の商品カテゴリー名や販売先での表記を確認します。韓国向けも、商品名の韓国語表記と、検索先や販売ページの呼び方を合わせます。文章として自然かどうかに加え、読者がその言葉で商品を見つけられるかまで点検します。
クリック後のページにも注意が必要です。広告や投稿は現地語なのに、案内先では対象商品が見つからない、配送条件が読めないという状態なら、翻訳だけを修正しても解決しません。投稿の表現と、案内先の不足を別々に記録します。
訪日中の購入を想定した案内は、台湾からの訪日客を来店につなげる情報設計でも具体的に扱っています。本記事では、そこに至る前の「何を優先して伝えるか」に重点を置いています。
制作資料は、共通部分と市場別メモに分ける
制作担当者には、商品資料と一緒に「誰に見てほしいか」「何を最初に伝えるか」を渡します。撮影する場面、掲載先、購入案内も一つの資料にまとめておけば、原稿と映像で説明が食い違うのを防ぎやすくなります。
クリエイター向けの資料には、必ず守ってほしい商品情報と、本人に任せる表現を分けて記載します。確認する人と期限も決めておけば、撮影後に条件が増え、撮り直しになる事態を減らせます。
商品情報を共通化
市場別の疑問を確認
見せる順番を決定
小さく公開して検証
修正履歴も残します。「台湾向けなのでこの表現にした」では理由が曖昧です。「販売先で使われる商品名に合わせた」「問い合わせがあった容量の違いを先に説明した」と記録すれば、ほかの市場でも使える知見か判断できます。
AIを使って翻訳や整理を進める場合も、情報の追加や断定が入り込んでいないか、人が元資料と照合します。現地語として自然に読めても、取扱条件が変わっていたり、元資料にない特徴が足されたりしていれば、そのまま公開できません。
市場別の数字を、単純に横並びにしない
同じクリエイティブでも、予算、配信対象、アカウントの規模、掲載先、販売条件が違えば、反応も変わります。中国の投稿と台湾の投稿のいいね数だけを比べ、「こちらの市場には合わない」と決めるのは早計です。
まずは各市場の中で、できるだけ条件をそろえて試します。使用場面を変えたときに、どんな質問が寄せられたか。詳しい説明へ進んだか。販売先で確認できる行動はどうか。閲覧数だけでなく、目的に合った反応を見ます。
ほかの市場の担当者にも、数字と一緒に、どんな条件で掲載し、どんな質問が残ったかを伝えます。「サイズの説明が不足していた」という発見は、別の市場のページを点検するきっかけにもなります。ただし、その市場でも同じ疑問があるかは改めて確認します。
海外向けコンテンツは、重点商品一つから見直す
最初から全市場・全媒体を作り直す必要はありません。重点商品を一つ選び、既存の商品資料と現地向け投稿を並べ、伝わっていない特徴や不足する説明を見つけるところから始めます。MY WAYは、市場調査、海外SNSマーケティング、PRコンテンツの企画・制作を通じて、その見直しを支援します。
商品の事実はそろえ、伝える順番は確かめながら変える。同じブランドとして伝えることをそろえたうえで、読者に合わせて見せ方を変えていきます。海外PRコンテンツ企画・制作について。
海外マーケティングを、
次の成果へ。
海外市場を取り巻く環境は、常に変化しています。今の施策を活かしながら、戦略、SNS、広告、PR、コンテンツを横断して、成果を伸ばすための改善ポイントと次の打ち手を整理します。
施策の見直しや予算配分、特定の市場・プラットフォームの課題など、一つのテーマからでも構いません。現在の取り組みに合わせ、次に進むための具体策をご提案します。

