旅行前にInstagramで見つけた日本の商品。投稿は保存したものの、いざ旅程を組むと「どの店で買えるのか」「泊まるホテルから行けるのか」が分からない。
店に着いても、投稿の写真と棚に並ぶパッケージが違い、同じ商品か判断できない。
これは、台湾からの訪日客に向けた情報を考えるための場面例です。商品の魅力が伝わっていても、来店や売り場での判断に必要な情報が抜けていれば、購入まで進めないことがあります。
ブランドが用意したいのは、興味を持った人が次の行動を選べる情報です。SNSは興味の入口、案内ページは行動を決める場所。この記事では、商品を知った後、店を探し、売り場で確かめるまでの情報を整理します。
「欲しい」の後に、どんな疑問が残るか
投稿を見て「欲しい」と思っても、商品名、取扱店、アクセスが分からなければ、旅行の予定には入れにくいものです。商品を確認する → 買える店を探す → 店へ向かう → 売り場で照合する。この順に、案内が途切れていないかを確かめます。
JNTOは台湾を訪日経験率の高い成熟市場と位置付けています。初めて訪れる人にも、何度も訪れている人にも、「今回の旅行では、どこへ行けばその商品を見つけられるか」まで伝えます。
台湾からの訪日外客数は、年間約676万人
+11.9%
地域限定品や期間限定商品を紹介する場合は、対象店舗や販売期間も明記します。
たとえば東京を訪れる人なら、立ち寄る予定の地域から取扱店を探せると便利です。全国の店舗を並べるだけでなく、旅程に合わせて店を選べるようにします。
自分に合いそう?
旅行中に寄れる?
営業時間は?
容量や種類は?
台湾で知った商品を、日本の売り場で見つけられるようにする
台湾向けの投稿では繁体字の商品名を使い、日本の店頭では日本語のパッケージが並ぶ。この間をつなぐ情報がなければ、名前を覚えていても商品を見つけにくくなります。
繁体字の商品名だけでなく、日本語の正式名称、現在のパッケージ写真、容量や色・型番などを一緒に確認できるようにします。
台湾ですでに流通している商品なら、現地の公式名称と日本の商品が対応しているかを確認します。地域によって仕様やセット内容が異なる場合は、同一商品として案内せず、違いを説明します。
公式の繁体字名称がない商品に、担当者ごとに別の呼び名を付けることも避けたいところです。
繁体字への変換で終わらせず、台湾で使う言葉に合わせる
日本語を繁体字に置き換えるだけでなく、台湾で自然に使われる表現に合わせます。特に商品名、店舗案内、購入につながる言葉は、現地での使われ方を確認します。
たとえば、取扱店へのリンクには「查看販售門市(取扱店を見る)」と、進んだ先で分かることを示します。リンク先が日本語の場合は、その旨も添えます。
写真にも役割があります。雰囲気のある使用写真は魅力を伝えますが、店頭で探すときには、箱の正面や型番が読める写真の方が役立つことがあります。
PR用の写真と「売り場で照合する写真」を分けて考えると、必要な素材が見えてきます。
同じ商品を探せる
日本語名・容量・型番
商品名稱 → 商品名
日本商品名稱 → 日本語の正式名称
容量/規格 → 容量・仕様
購買地點 → 購入できる場所
「日本で買えます」から、旅程に入れられる案内へ
「日本全国の店舗で販売」という一文では、旅行者は次に何を調べればよいか迷います。メーカーであれば、取扱いを確認した店舗への案内。店舗であれば、支店名、住所、最寄り駅や入口、営業時間まで。
在庫や取扱状況など、変動する情報については、どこまで確認できる情報なのかを明記します。
実例:ロフトの繁体字ページは、商品紹介と来店情報をどうつないでいるか
出雲ロフトの開業案内(繁体字)では、商品紹介に加えて、住所・フロア・営業時間を同じページで確認できます。商品を「知る」から、店へ「行く」ための情報までを一つにまとめた実例です。
出典:ロフト公式サイト(2026年9月30日確認)。公開ページの構成を参照した例で、MY WAYの支援実績や来店効果を示すものではありません。
価格、キャンペーン期間、利用条件など変更のある情報には、確認日や更新担当を決めます。古いSNS投稿をすべて修正できない場合でも、最新情報をまとめた案内ページへ進めるようにしておけば、更新する場所を絞れます。
取扱情報と在庫情報は分けて伝える
特に分けておきたいのが、取扱情報と在庫情報です。取扱店リストに載っていても、その日に希望の商品や種類があるとは限りません。
「取扱いあり」を「必ず買える」と受け取られないように、在庫の確認先を添えます。在庫を案内できる窓口がない場合は、実際には対応できない問い合わせ方法を載せないことも大切です。
台湾向けの文面なら、たとえば「各門市販售品項及庫存可能不同,請依門市實際情況為準。」という案内が考えられます。
ただし、注意書きを添えるだけで済ませず、掲載する店名や取扱商品が現在も正しいかを確認します。
SNSは興味の入口、案内ページは行動を決める場所
一つの投稿に、商品の特徴から全店舗の住所まで詰め込む必要はありません。
SNSでは、使用シーンや「旅行中にわざわざ探したくなる理由」を伝えます。詳しく知りたい人には、商品と購入場所を確認できるページを用意します。
この役割分担で、読みやすさと情報の詳しさを両立させます。
クリエイターが店舗を訪れる企画なら、使用感や店内での発見は本人の言葉を大切にしつつ、商品名、撮影した支店、訪問時点の情報はブランド側でも照合します。別の支店でも同じ品ぞろえがあるように見える編集や、確認していない体験の書き足しは避けます。
どんな人に向くか
詳細を調べる入口
取扱店への案内
最新情報の確認先
営業時間
対応可能な問い合わせ
たとえば旅行用品なら、「持ち運びやすい」という紹介だけで終わらせず、寸法や収納時の状態が分かる写真を案内ページに置く。そのうえで、訪問予定の地域にある取扱店へ進めるようにします。商品の魅力を伝える内容と、購入を検討するための情報は、同じ役割ではありません。
台湾向けInstagram施策全体の考え方は、「台湾Instagramで成果につなげるには?」でも紹介しています。今回の来店前案内は、その中で興味を持った人の次の行動を支える部分です。
公開前に、旅行者の立場で一度たどってみる
公開前の確認は、原稿を読み返すだけでは十分ではありません。台湾向け投稿をスマートフォンで開き、商品を特定し、取扱店を探し、店舗の場所を確認するところまで、実際に操作してみます。
社内では知っている情報を、旅行者も知っている前提で省いていないかが分かります。
確認するのは、リンク切れだけではありません。リンク先が日本語だけで、どこを押せばよいか分からない。中国語の商品名で案内しているのに、店舗ページでは別の名前が表示される。地図は開くが、百貨店の何階にあるかが分からない。こうした小さな迷いを、公開前に減らします。
公開後は、「どこで買えますか」「この写真と同じ商品ですか」といった質問がどこに寄せられるかを記録します。同じ質問が続くなら、案内の位置や説明が十分かを見直す手掛かりになります。
案内ページへのアクセスや店舗情報への遷移は確認できますが、それだけで実来店や売上への効果が証明できるわけではありません。店舗側で把握できる情報と分けて評価します。
MY WAYが考える台湾向け訪日プロモーション
MY WAYでは、台湾向けの市場理解、コンテンツの企画・ローカライズ、SNS・クリエイター施策を、旅行者が次に知りたい情報と結び付けて考えます。日本語の商品資料を翻訳するだけでなく、現地での呼び方、使われる場面、来店前に残る疑問まで整理し、制作内容に落とし込みます。
その際、商品の仕様や店舗の取扱状況など、ブランド・販売店による確認が必要な情報も明確にします。
投稿を見た人が、商品を調べ、店を選び、売り場で迷わず確認できる。そのための情報を、現在の施策に合わせて整えることから始めます。
海外マーケティングを、
次の成果へ。
海外市場を取り巻く環境は、常に変化しています。今の施策を活かしながら、戦略、SNS、広告、PR、コンテンツを横断して、成果を伸ばすための改善ポイントと次の打ち手を整理します。
施策の見直しや予算配分、特定の市場・プラットフォームの課題など、一つのテーマからでも構いません。現在の取り組みに合わせ、次に進むための具体策をご提案します。

