中国SNSマーケティングは、もう「媒体紹介」の段階ではない
小紅書(RED)、Douyin(抖音)、WeChat(微信)、Weibo(微博)。
十数年前であれば、「中国ではどのSNSが使われているのか」を説明すること自体に意味がありました。
現在は、多くの日本企業が各プラットフォームの特徴をある程度理解しています。
それでも中国向けプロモーションが難しいのは、媒体を知らないからではありません。
課題は、どの媒体に、どんな情報を、どの役割で残すかです。
中国SNSマーケティングは、単なる媒体選びではなく、ブランド全体の情報設計として考える必要があります。

1.中国の「検索」は、検索エンジンだけではない
現在の中国では、ユーザーが商品を知ってから比較・検討するまで、一つのプラットフォームだけで情報収集が完結するとは限りません。
Douyinで商品を知り、小紅書で口コミを検索する。知乎で詳しい解説を読み、Weiboで話題や最新情報を確認する。
さらに、豆包、DeepSeek、千問などの生成AIに商品比較やおすすめを聞くケースも増えています。
つまり、発見、検索、比較、深い理解、AIへの質問が、それぞれ別の場所で行われるようになっています。
施策を考える際には「どのSNSを使うか」だけではなく、ユーザーがどの場面でどんな情報を必要とするのかを整理することが欠かせません。
2.媒体は「人気」ではなく、役割で使い分ける
中国の主要媒体は、それぞれ得意な役割が異なります。
小紅書は口コミ、検索、比較、使用体験。Douyinは商品発見や動画による認知。Weiboはトレンドや話題形成。
WeChatは公式情報や継続的な接点。BilibiliはレビューやHow-toなど、より深い商品理解と相性があります。
知乎や今日頭条のような長文型プラットフォームでは、商品の特徴、比較、使用方法、FAQ、ブランド背景などをまとまった形で残すことができます。
すべての媒体を運用する必要はありません。
ブランド認知を広げたいのか、検索時の情報を増やしたいのか、商品理解を深めたいのか。
目的に応じて役割を分けるほうが、施策全体を組み立てやすくなります。
媒体を増やすより、必要な情報を適切な場所に置く。
この考え方が基本になります。

3.知乎や今日頭条の価値は、以前とは変わっている
知乎や今日頭条で記事を発信すること自体は、新しい施策ではありません。
以前は、中国語のブランド情報を増やす、検索結果に記事を残す、ユーザーに詳しい商品情報を読んでもらう、といった目的が中心でした。
現在は、そこにAI検索という新しい入口が加わっています。
知乎では「知乎直答」、微博では「微博智搜」、小紅書ではAI検索・対話機能の「点点」など、
既存プラットフォームの中にもAI検索の導線が広がっています。
そのため、一つの記事や投稿の価値を、PVやクリック数だけで判断しにくくなっています。
ユーザーに直接読まれる。検索で見つかる。プラットフォーム内のAIが情報を整理する際の参考になる。
さらに、公開情報であれば、外部の生成AIがブランドを理解する材料になる可能性もあります。
4.SNS・SEO・GEOを、一つの情報設計として考える
SNS、SEO、GEOは、施策としては別々に見えます。
ただし、ブランド側から見ると、すべて「自社についてどんな情報が公開されているか」という点でつながっています。
小紅書では使用感や口コミを残す。知乎では商品を詳しく説明する。今日頭条ではブランドや業界に関する情報を発信する。
公式サイトでは、企業として正確な商品情報を掲載する。
MY WAYでは、こうした情報を個別に積み上げるのではなく、全体として不足している情報がないかを確認します。
たとえば、ブランド紹介は多いのに比較情報がない。商品特徴はあるのに、具体的な使用シーンが少ない。
KOL投稿は多いが、FAQに答える情報がない。
こうした「情報の抜け」を整理し、必要なコンテンツを補っていきます。
GEOを意識する場合も、似た記事を大量に作ることが目的ではありません。
今日頭条では2026年、AIを用いた大量生成・同質化コンテンツや、実体験を装った推薦投稿への取り締まりも行われています。
投稿本数ではなく、ブランド理解に必要な情報が揃っているか。
こちらのほうが、長期的には重要です。

5.KOL・KOCも「誰が、何を残すか」で考える
KOL・KOC施策も、単純な露出量だけでは評価できません。
同じ30本の投稿でも、すべてが似た商品説明になっているのか、それぞれが異なる使用シーン、悩み、商品特徴、比較ポイントを伝えているのかで、
残る情報の価値は変わります。
また、起用するクリエイターとの相性も欠かせません。
普段の発信内容、フォロワー層、商品の見せ方、表現力まで確認し、「この人がこの商品を紹介する理由」が自然に成立するかを見る必要があります。
MY WAYでは、まずブランドとして伝えたい内容に優先順位をつけ、そのうえでKOL・KOCごとに役割を分けます。
施策の価値を決めるのは、何人に投稿してもらったかではなく、誰が、どんな情報を残したかです。
6.中華圏で考えるなら、台湾は同じ設計では動かない
中国向け施策をきっかけに、台湾を含む中華圏全体へ展開したいという相談もあります。
ただし、中国大陸と台湾では、ユーザーが日常的に情報を探す場所が異なります。
中国では小紅書、Douyin、知乎、Weibo、WeChat、Bilibiliなどが大きな情報接点になりますが、
台湾ではGoogle、Instagram、YouTube、Threads、Dcard、LINEなどが中心です。
そのため、中国向けに制作したコンテンツを繁体字に変えるだけでは、台湾向けマーケティングにはなりません。
同じ中国語圏でも、検索行動やSNSの使われ方が違えば、媒体の組み合わせやコンテンツの役割も変わります。
MY WAYでは、中国・台湾を一括りにせず、それぞれの市場でユーザーがどこから情報を得ているのかを見ながら施策を設計します。
MY WAYは、媒体を決める前にブランドの見せ方を整理します
MY WAYでは、ご相談をいただいた段階ですぐに媒体やKOLを決めることはありません。
まず、商品特性、ターゲット、競合、現地での認知状況を整理し、中国市場でどのようなブランド理解をつくるべきかを考えます。
そのうえで、小紅書、Douyin、知乎、今日頭条、Weibo、WeChatなどの役割を整理し、
KOL・KOC、公式コンテンツ、SEO・GEOを必要に応じて組み合わせます。
日本語のそのまま翻訳して配信するのではなく、現地ユーザーの検索行動や情報接点に合わせて、ブランドの見せ方から設計する。
媒体選定の前に、まず「このブランドをどう理解してもらいたいか」を整理します。
海外マーケティングを、
次の成果へ。
海外市場を取り巻く環境は、常に変化しています。今の施策を活かしながら、戦略、SNS、広告、PR、コンテンツを横断して、成果を伸ばすための改善ポイントと次の打ち手を整理します。
施策の見直しや予算配分、特定の市場・プラットフォームの課題など、一つのテーマからでも構いません。現在の取り組みに合わせ、次に進むための具体策をご提案します。

