中国の情報探索は、「検索する」だけでなく「AIに聞く」へと広がり始めています。
中国では、商品やブランドについて生成AIに直接質問する行動が広がり始めています。
これまでの検索では、キーワードを入力し、検索結果から複数のページを開き、自分で情報を比較するのが一般的でした。
一方、豆包(Doubao)やDeepSeekなどの生成AIでは、「どの商品が自分に合う?」「AとBは何が違う?」とそのまま質問し、回答を得たあとに条件を追加しながら比較することができます。
中国の消費者が情報を探す方法そのものが、少しずつ変わり始めています。
QuestMobileが2026年5月に発表した「AIプラットフォームの情報参照傾向と情報源選択に関する調査レポート」では、2026年4月の検索エンジン系アプリについて、月間平均利用回数が前年同月比18.8%減、月間平均利用時間が11.8%減となりました。
同レポートでは、この変化を従来の「検索式」の情報収集から、AIに直接質問する「問答式」の情報収集への移行という流れの中で捉えています。

2026年4月 典型業界Appユーザー利用動向
検索エンジン系Appの月間平均利用回数は前年同月比18.8%減、月間平均利用時間は11.8%減。
出典:QuestMobile「AIプラットフォームの情報参照傾向と情報源選択に関する調査レポート」(原題:AI平台采信逻辑与信源偏好研究报告、2026年5月)
投稿数が多くても、ブランドが正しく伝わるとは限らない
こうした変化が進むと、企業側にも新しい課題が生まれます。
それは、「自社についてAIに聞かれたとき、どのように説明されるのか」という問題です。
中国向けに小紅書(RED)や抖音(Douyin)、KOL・KOC施策などを通じて多くのコンテンツを発信していても、それだけでブランドの特徴が十分に伝わるとは限りません。
たとえば、
「日本で人気」「おすすめの商品」「話題のアイテム」
といった表現が多くても、
「どんなブランドなのか」「どのような人に向いているのか」「他の商品と何が違うのか」
といった情報が少なければ、消費者にもAIにもブランドの違いが伝わりにくくなります。
つまり、露出が多いことと、ブランドについて説明できる情報が揃っていることは別の話です。
AI検索では「見つかるか」だけでなく「どう説明されるか」も問われる
従来の検索では、企業にとって「検索結果の中で自社を見つけてもらえるか」が大きなテーマでした。
生成AIでは、その先の部分まで考える必要があります。
たとえば消費者が、
と質問したとします。
そのとき、企業自身が伝えたいブランドイメージと、AIが返す説明が必ず一致するとは限りません。
特に中国市場では、日本語では十分な情報が公開されている一方、中国語で検索すると情報が少なかったり、過去の記事や第三者の投稿だけが目立ったりするケースもあります。
中国語でどのような情報が存在しているかによって、消費者から見えるブランド像が変わる可能性があります。
広告を増やすだけでは解決しにくい
ここで注意したいのは、AI検索への対応がそのまま「SNS投稿をもっと増やすこと」を意味するわけではないという点です。
ブランドについての情報は、公式サイト、SNS、商品ページ、メディア記事、レビューなど、さまざまな場所に存在します。
もしそれぞれの内容がばらばらだったり、古い情報と新しい情報が混在していたりすれば、ブランド全体の特徴は伝わりにくくなります。
また、どの情報を、どの媒体で、どのような形で発信するべきかは、ブランドによって異なります。
化粧品、食品、観光施設、サービスでは、消費者が知りたいことも、比較されるポイントも同じではありません。
そのため、単純に投稿本数を増やすのではなく、中国市場で自社ブランドをどのように理解してもらいたいのかを整理したうえで、情報発信全体を考える必要があります。
中国向けコンテンツは「露出」と「理解」の両方を見る
小紅書や抖音、KOL・KOCを活用した施策は、中国市場でブランドを知ってもらうために引き続き有効です。
ただし、キャンペーン中にどれだけ見られたかだけでなく、その後にどのような情報が残るのかまで考えると、コンテンツの役割は変わってきます。
- 検索したときに見つかるか。
- AIに聞いたときにブランドの特徴が伝わるか。
- 競合と比較されたときに違いが説明されるか。
AIが新しい情報接点になり始めている今、中国向けコンテンツも「露出をつくるもの」だけではなく、「ブランドを理解してもらうためのもの」として考える必要があります。
MY WAY株式会社では、中国SNS、KOL・KOC施策、中国語コンテンツ制作などを通じて、日本企業の中国市場向けマーケティングを支援しています。
中国市場における現在のブランド情報や、AI検索時代を見据えたコンテンツの見せ方を一度整理してみたい企業様は、お気軽にMY WAYまでご相談ください。
海外マーケティングを、
次の成果へ。
海外市場を取り巻く環境は、常に変化しています。今の施策を活かしながら、戦略、SNS、広告、PR、コンテンツを横断して、成果を伸ばすための改善ポイントと次の打ち手を整理します。
施策の見直しや予算配分、特定の市場・プラットフォームの課題など、一つのテーマからでも構いません。現在の取り組みに合わせ、次に進むための具体策をご提案します。

